agy-review: Gemini に文章を推敲・批評させる
agy(Antigravity CLI)の print モードで Gemini を呼び、文章のレビューをテキストで受け取る。
Claude とは別系統のモデルの目を入れることで、自分では見落とす表記ゆれ・論理の飛躍・読者視点の疑問を拾うのが目的。
API キー不要、ローカルの Antigravity アカウントのクォータで動く。
${CLAUDE_SKILL_DIR} は Claude Code がスキル読み込み時にこの SKILL.md のあるディレクトリへ展開する。もし展開されずに残っていたら、スキル読み込み時に表示される「Base directory for this skill」のパスに読み替える。
使い方
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py <file...> \
[--mode proofread|critique|rewrite|custom] [--context "読者・媒体・目的"] \
[--instructions "追加指示"] [--model gemini-3.8-flash-high] [--out review.md]
| mode | 何が返るか | 使う場面 |
|---|
proofread(既定) | 「## 指摘」(箇所→修正案: 理由)+「## 修正後全文」 | 表記・文法・冗長・用語ゆれを直したい |
critique | 重大 / 改善推奨 / 良い点。書き換えなし | 論理・構成・主張と根拠の対応を見てほしい |
rewrite | 修正後の全文のみ | 自分で diff を取って取捨選択したい |
custom | --instructions の指示どおり | 翻訳チェック、査読者ロール、要約、タイトル案など |
- 入力は複数ファイル可。
- で stdin。本文はプロンプトに埋め込まれる(agy のヘッドレスモードはファイルを読めないため)。数万字までは問題ない。
- 結果は stdout に出る。
--out で同時にファイル保存できる。stderr に所要秒数とトークン数が出る。
--context に読者・媒体・目的(例: 「情報処理学会研究報告、査読なし、読者は HCI 研究者」)を渡すと指摘の精度が上がる。
- 所要時間は数千字で 20〜40 秒、長文で数分。
--timeout は分単位(既定 8)。
ワークフロー
- 対象ファイルと目的を確認する。まず自分で一読し、文体(です・ます / である)と文書の種類を把握する。
- 目的に合う mode を選び、
--context を付けて実行する。長い原稿は章ごとに分けると指摘の粒度が揃う。
- 返ってきた指摘を鵜呑みにせず精査する。Gemini は「事→こと」のような表記統一や冗長削減には強いが、専門用語の言い換えや主張の弱体化を提案することがある。原文の意図・分野の慣習・ユーザーの文体を優先して取捨選択する。
- 採用する修正だけを Edit で原稿に反映する。
rewrite の全文をそのまま上書きしない(細部の改変が混ざる)。
- ユーザーには、採用した点・却下した点とその理由を短く報告する。指摘の原文が必要なら
--out で保存したファイルを示す。
使い分けの例
# 研究会原稿の第 2 章を推敲
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py sec2.md --context "IPSJ 研究報告、である調、読者はセンシング研究者"
# 論理の穴だけ見てほしい
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py intro.md --mode critique
# 英語アブストラクトをネイティブ査読者の目で
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py abstract.md --mode custom \
--instructions "Act as a native-English CHI reviewer. Flag unidiomatic phrasing, overclaiming, and unclear contribution statements. Give corrected sentences."
# 複数モデルの意見を比べる
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py draft.md --mode critique --out review-flash.md
python3 ${CLAUDE_SKILL_DIR}/scripts/agy_review.py draft.md --mode critique --model claude-opus-4-6-thinking --out review-opus.md
この環境で agy が動かないとき
このスキルはローカルにインストールされた agy を Python から起動する。Claude Desktop の PowerPoint / Word 連携や Cowork のようなサンドボックス環境では、agy コマンドが存在せず外部通信も遮断されているため実行できない。その場合は、自分で推敲して「Gemini の意見」を装わないこと。「この環境からは agy を起動できない」と伝え、Claude Code で同じファイルを対象に依頼すれば実行できると案内する。自分自身の推敲を提供するのは構わないが、それが Gemini ではなく自分の意見であることを明示する。
知っておくべき挙動
agy models で使えるモデル一覧が出る。既定は gemini-3.8-flash-high(ユーザーの指定。文章の構成を見る用途ではこれを使う)。他候補は gemini-3.1-pro-high、claude-opus-4-6-thinking など。
- agy はヘッドレスだとファイル読み取りを自動拒否する。だからスクリプトは本文を埋め込む方式にしており、
--dangerously-skip-permissions は使わない。
- agy のプロンプト引数は
-p=<text> の形で渡す(スクリプト対応済み)。直接叩く場合も同じ。
- 結果に Gemini が勝手にファイル編集を試みた形跡があれば、それは失敗扱い。プロンプトの「ツールを使わない」指示で通常は起きない。
関連スキルとの関係
- 日本語の AI 臭除去や文体規範(humanizer 系、japanese-tech-writing)は Claude 自身が適用するルール。本スキルはその前後で「別モデルの読者」を入れる用途。両方使うときは、まず本スキルで指摘を集め、採用判断と書き直しは Claude の規範に従う。
- 画像生成は agy-image スキル。