データAPIカタログ(記者向けに選別)
取材・調査・データ報道で使える無料API(およびデータ配信)の短い厳選リスト。
網羅性ではなく、用途別の選別と登録要否・利用条件・落とし穴の注記に価値がある。
網羅的な一覧が必要なときは、後述の網羅リファレンスにあたる。
注意:無料枠の条件・レート制限・利用規約・提供形態は頻繁に変わる。本番運用や記事化の前に、各提供元の最新の利用規約・開発者ドキュメントで必ず確認する。 本スキルは一般的な手引きであり、特定サービスの保証や法的助言ではない。数値・条件には「要確認」を添えている箇所がある。
網羅リファレンス(breadth)
カテゴリ横断でほぼ全部のパブリックAPIを当たりたいときは、まずここを検索する。
本スキルはそのうち取材・調査に関連する部分と日本の公的データ源を選別している。
最近終了・変更(使わない/注意)
提供終了・大幅変更があり、過去の解説記事のまま使うと事故るもの。
| API | 状況 | 代替・備考 |
|---|
| CrowdTangle(Meta) | 2024-08 提供終了 | Meta Content Library(学術・非営利研究者向け。多くの記者は対象外)。SNS監視は個別プラットフォームのAPIへ。 |
| X / Twitter API 無料枠 | 新規開発者向けの無料枠は実質消滅。従量課金のみ(料金は要確認)。 | 無料の完全な代替は無い。近いものは Bluesky Jetstream+Mastodon。 |
| Reddit API | 2023年以降、研究・非営利のみ無料。商用は有料。 | 取材・調査用途なら可。収益化プロダクトでは不可。 |
| IEX Cloud | 2024-08 完全終了。 | 金融データは下記「金融・経済」の汎用APIまたは国内の公的統計へ。 |
| Hugging Face Inference API | 「Inference Providers」へ改称。無料枠は月あたり少額のクレジット制に縮小(金額は要確認)。 | 低頻度・埋め込み用途なら無料枠で可。本番は有料。 |
| ProPublica Congress API 等の米国議会系 | 米国固有のため本カタログでは割愛。 | 国内の立法・行政情報は e-Gov法令API・国会会議録検索APIへ。 |
日本の公的データ源(用途別・選別)
すべて提供元の利用規約・最新ドキュメントで条件を確認したうえで使う。登録要否は変わりうる。
政府統計・経済
| データ源 | 登録/認証 | 用途・備考 |
|---|
| e-Stat API(政府統計の総合窓口) | 無料の利用登録でアプリケーションID(appId)を取得 | 各府省の公的統計(国勢調査・人口推計・労働力調査・家計調査など)を機械可読で取得。統計表・メタ情報・地域メッシュに対応。出典明記が必要。データ報道の一次情報の中心。 |
| RESAS API(地域経済分析システム) | 無料の利用登録でAPIキーを取得 | 人口・産業・観光・企業活動など地域経済データ。地域比較・自治体テーマに有用。提供形態が見直される場合があるため要確認(移管・統合の動きに注意)。 |
| gBizINFO(法人情報) | 無料のトークン発行(要確認) | 法人番号に紐づく企業の基本情報・補助金・調達・届出など。企業・行政の取引関係をたどる起点。 |
| 法人番号システム Web-API(国税庁) | 無料のアプリケーションID取得 | 法人番号・商号・所在地の確認。名寄せ・企業特定に。 |
| 日本銀行 時系列統計データ | 公式の取得方式・APIの有無は要確認 | 金利・物価・資金循環・国際収支などマクロ指標。マクロ系はe-Statと併用。 |
法令・立法・行政情報
| データ源 | 登録/認証 | 用途・備考 |
|---|
| e-Gov 法令API | 認証不要(要確認) | 現行法令の条文・改正情報を機械可読で取得。条番号の確認、法改正の追跡に。記事中の条文引用の裏取りに有用。 |
| 国会会議録検索システム API(国立国会図書館) | 認証不要 | 帝国議会以降の本会議・委員会の会議録を全文検索・取得。発言者・日付・キーワードで横断検索でき、政治家の過去発言の裏取りに強い。 |
| 衆議院・参議院サイト | 公式APIは限定的(要確認) | 議案・採決・委員名簿などはサイト掲載中心。スクレイピングは各サイトの規約に従う。 |
| 裁判所(判例検索) | 公式APIは無い前提(要確認) | 判例はWebのDB中心。取得方法と再配布条件に注意。 |
企業開示・市場
| データ源 | 登録/認証 | 用途・備考 |
|---|
| EDINET API(金融庁) | APIキー(無料登録、要確認) | 有価証券報告書・大量保有報告書・適時の法定開示書類の一覧と本文(XBRL/PDF)。企業財務・株主・役員報酬調査の一次資料。 |
| TDnet(適時開示/東証) | 公式APIは限定的(要確認) | 上場企業の適時開示。取得方法・再配布条件を確認。 |
書誌・出版・アーカイブ(国内)
| データ源 | 登録/認証 | 用途・備考 |
|---|
| 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)API | 認証不要 | 書誌・所蔵の横断検索(SRU/OpenSearch/OAI-PMH等)。書籍・雑誌記事・公的刊行物の確認に。 |
| 国立国会図書館デジタルコレクション | 利用条件は資料ごとに異なる(要確認) | 過去の刊行物・新聞・官報など歴史調査に。著作権・利用範囲を資料単位で確認。 |
気象・防災・地理空間
| データ源 | 登録/認証 | 用途・備考 |
|---|
| 気象庁 防災情報XML | 認証不要(配信フィード) | 警報・注意報・地震・津波・台風などの公式防災情報をXMLで配信。速報監視に。利用規約・出典表示を確認。 |
| 気象庁ホームページの天気予報データ | 非公式利用(要確認) | サイトが内部的に使うJSON(www.jma.go.jp/bosai/...)を読む手法が知られるが、公式API・安定提供の保証は無い。本番依存は避け、フォールバックを用意。 |
| 国土地理院(GSI)API | 認証不要(利用規約あり) | 住所⇄緯度経度(ジオコーディング)、標高、地理院地図タイル。地図可視化・位置特定に。 |
| 国土数値情報(国土交通省) | 取得方式は要確認 | 行政界・土地利用・施設・災害リスク等のGISデータ。地図系データ報道の素材。 |
| 地震(国内) | — | 国内地震は気象庁が一次情報。世界の地震は下記USGSが網羅的。 |
日本のオープンデータ・カタログ
| データ源 | 備考 |
|---|
| data.go.jp(政府データカタログ) | 各府省のオープンデータの横断カタログ。CKAN系のAPIでメタデータ取得可(仕様は要確認)。 |
| 各自治体のオープンデータカタログ | 東京都オープンデータカタログサイトなど、自治体ごとに整備。様式・更新頻度・ライセンス(多くは政府標準利用規約/CC BY系)は自治体ごとに異なるため個別確認。 |
| 政府CIOポータル/デジタル庁の公開データ | 行政の各種公開データの入口。 |
汎用・国際API(日本の取材でも有用)
国内データ源で足りないとき、または国際比較・横断監視に使える汎用API。
ニュース監視
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| GDELT 2.0 | 完全無料・認証不要 | 世界のニュースを15分ごとに収集。言語横断・長期時系列の監視に強い。日本関連の海外報道の追跡にも有用。 |
| NewsAPI | 開発用途のみ無料(1日あたり上限・遅延・直近のみ/要確認) | 無料枠は商用不可。製品組み込み不可。プロトタイプ向け。 |
| GNews | 1日あたり少数・非商用(要確認) | 取得件数に上限。検証用途向け。 |
SNS・プラットフォーム
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| Bluesky Jetstream | 公開WebSocketのファイアホース・認証不要 | 公開投稿のリアルタイム流。ATプロトコルの正式機能ではなく長期安定の保証は無いため、本番ではフォールバック必須。 |
| Bluesky AppView | 公開読み取りエンドポイント(IP単位のレート制限) | プロフィール・投稿・検索。書き込みは認証要。 |
| Mastodon | インスタンス単位・公開エンドポイントは未認証で読める場合が多い | 連合型のためカバレッジはサーバ次第。 |
| Reddit | 認証あり/なしでレート差・非商用のみ | OSINT・調査には使えるが収益化プロダクトでは不可。 |
| X / Twitter | 実質有料(無料枠消滅・要確認) | 料金前提で扱う。 |
気象・気候(国際)
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| Open-Meteo | 非商用無料・キー不要(分/日/月の上限あり・要確認) | 世界対応。CC BY 4.0の帰属表示が必要。商用は有料。国内速報・防災は気象庁を優先。 |
| 米国 NWS(api.weather.gov) | — | 米国域のみのため割愛(日本の予報には使えない)。 |
金融・経済(国際)
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| World Bank Open Data | 無料・認証不要(要確認) | 国際比較の開発・経済指標。 |
| OECD / IMF データ | 無料・SDMX等で取得(要確認) | 国際統計の比較に。 |
| CoinGecko | 無料枠あり(月/分の上限・要確認) | 暗号資産の価格・市場。帰属表示が必要な場合あり。 |
| 米国 FRED / Census / BLS / BEA / EPA / OpenFEC 等 | — | 米国の連邦データのため割愛。国内マクロは e-Stat・日銀へ。 |
災害・地球科学(国際)
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| USGS 地震(FDSN) | 無料・認証不要 | 世界の地震をリアルタイム+過去分でGeoJSON等取得。国内の地震速報は気象庁が一次。世界規模の監視・比較に。 |
アーカイブ・保存
| API | 無料枠 | 備考 |
|---|
| Wayback Machine | 無料 | 過去ページの可用性JSON・Memento・CDX、Save Page Nowでの保存。削除・改変への備えに。 |
| archive.today | 公開APIドキュメントは限定的(要確認) | Waybackと併用して冗長化。運用状況の変化に注意。 |
AI / 機械学習
スポーツ(国際)
APIの見極め(選び方)
取材プロジェクトでAPIを選ぶとき、提供元の開発者ドキュメントで最低この5点を確認する。
| 項目 | 確認すること |
|---|
| 認証 | 「不要」=登録なしで使える。「キー必要」=登録とキー管理が要る。「OAuth」=利用者ごとの認可フロー。 |
| 無料枠の上限 | 1日/1か月のリクエスト上限、分あたりレート、配信の遅延、取得できる期間(直近のみ等)。 |
| 商用・利用範囲の制限 | 「無料」でも商用禁止が多い。有料記事を支える社内ツールも商用とみなされうる。利用規約を読む。 |
| 出典表示の義務 | e-Stat・Open-Meteo・各自治体オープンデータなど、出典明記が条件のものが多い。記事・注に明記。 |
| 安定性の保証 | 非公式エンドポイント(気象庁サイトのJSON、Bluesky Jetstream等)は長期安定の保証が無い。本番ではフォールバックを用意。 |
| 鮮度(最新調査年) | 最初のヒットを使わない。 最新の調査年か確認する。e-Statは getStatsList を SURVEY_DATE 降順/surveyYears で絞り最新表を選ぶ(→ getMetaInfo → getStatsData)。人口は**人口推計(年次・最新)**を使い、国勢調査(5年毎)の古い年で代用しない。分子・分母の年を揃える。調査年と定義の粒度(細分類/小分類)を記事に明記。 |
反面教師:2026年に書店データを2016年・人口を2010年で作る失敗例。実際は2024年(経済センサス基礎調査)・人口推計2024が取得可能だった。「最新か」を見極め項目に常設する。
週末プロジェクトのアイデア(取材ツール)
- ニュースアラート: GDELT+キーワード抽出+チャット通知(海外の日本報道を監視)。
- 統計ダッシュボード: e-Stat APIで指標を取得し、地域・時系列で比較表示。
- 企業開示ウォッチャー: EDINET APIで対象企業の新規開示を定期取得し、差分を通知。
- 会議録検索ボット: 国会会議録検索APIで特定議員・テーマの発言を抽出し、過去発言と突合。
- 地震モニタ: USGS(世界)+気象庁(国内)でしきい値超を検知し通知。
- 地図可視化: 国土地理院のジオコーディングで住所を座標化し、国土数値情報や自治体オープンデータと重ねる。
使い方のコツ
新しいデータが要るプロジェクトでは、まず上の用途別カタログ(特に日本の公的データ源)を見る。
合うものが無ければ public-apis/public-apis を検索する。
候補APIのドキュメントを、自分の具体的な用途とあわせてエージェントに読ませると、
レート制限・商用不可・出典義務などの「読み飛ばしがちな落とし穴」を拾わせやすい。
鮮度メモ(最終確認)
最終整理:2026-06-28。提供元の条件・料金・無料枠は変動する。
本カタログの登録要否・上限・利用範囲は目安であり、本番運用や記事化の前に各提供元の最新ドキュメントで再確認すること。
「要確認」と付した項目は特に変更可能性が高い。
用途別の選別と利用条件の注記が本スキルの価値。網羅性は public-apis/public-apis に委ねる。
出典・ライセンス(帰属表示)
本スキルは claude-skills-journalism(by Joe Amditis, MIT License, © 2025 Joe Amditis,
https://github.com/jamditis/claude-skills-journalism )の research-toolkit/free-apis-catalog を
原典の構成(網羅リファレンスの提示・終了/変更APIの注意・用途別カタログ・APIの見極めルーブリック・週末プロジェクト・鮮度メモ)に沿って日本語化し、
日本の取材実務に再構成したものです。
米国中心のAPI一覧(NWS・api.data.gov・congress.gov・FEC・Census・BLS・BEA・EPA 等)は日本の公的データ源
(e-Stat・RESAS・気象庁・e-Gov法令API・国立国会図書館各API・国土地理院・EDINET・法人番号/gBizINFO・各自治体オープンデータ 等)に置き換え、
日本に相当物が無い米国固有の項目は「米国向けのため割愛」と明記しています。汎用で有用な国際API(GDELT・Open-Meteo・USGS・Wayback 等)は残しています。
原典の著作物本文は転載していません。原作者および Anthropic 社の公認・推奨を受けたものではありません。
MIT ライセンス全文は同梱の LICENSE-MIT.txt を参照。