AIが生成しがちな「いかにもAIっぽい」日本語の定型表現・水増し・空疎な形容を取り除き、読者の信頼を損なわない自然な文章に直す。記事・原稿・プレスリリース・告知・SNS投稿など、AIの支援を受けて書いた文章を公開前に点検するときに使う。「AI臭を消したい」「文章が機械っぽい」「人が書いたように直したい」などの依頼で使う。
fact-check
発言・記事・SNS投稿などの主張を体系的にファクトチェックする。主張の抽出、検証可能な命題への分解、根拠の収集、当事者への確認、判定(レーティング)、記録、訂正対応までを支援する。掲載前の裏取り、ファクトチェック記事の作成、編集部の検証手順づくりに使う。
「ファクトチェックして」「この発言は本当か」「裏取りの手順を」などの依頼で使う。
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ファクトチェック(裏取り)の手順
ファクトチェックは勘や印象ではなく、手順で行う。主張を検証可能な単位に分解し、一次情報で裏を取り、判定の過程を第三者が検証できる形で記録する。本スキルは主張の抽出・根拠収集・判定・記録・訂正までを支援する。最終的な判定と掲載の責任は記者・編集が負う。
注意:本スキルは一般的な手引きであり、法的助言ではない。名誉毀損や引用の適否など法的リスクがある場合は、社内の法務・デスクに相談すること。
いつ使うか
- 記事掲載前の裏取り(プレ・パブリケーション・チェック)
- ファクトチェック記事(主張を判定して記事化する)
- 取材中に出てきた情報源の発言の検証
- 編集部のファクトチェック手順・基準づくり
- 検証の社内研修・標準づくり
ファクトチェックの流れ
1. 主張を特定 → 2. 主張を調べる → 3. 根拠を集める →
4. 当事者に確認 → 5. 判定する → 6. 記録する → 7. 掲載・訂正
ステップ1:主張の抽出と分解
何をチェックするか
チェックする(事実の主張):
- 事実の断定(「Xが起きた」「Yは本当だ」)
- 統計・数値
- 日付・時系列
- 引用・発言の帰属
- 因果の主張(「XがYを引き起こした」)
チェックしない(意見・価値判断):
- 「この政策は良い/悪い」
- 「Xすべきだ」
- 将来の予測
- 好み・趣味の問題
事実か意見かの線引きが難しい主張(評価を含む断定など)は、事実の部分だけを取り出して検証可能な命題に分解する。
主張の抽出テンプレート
## 主張ログ
**記事・発言元:** [主張が現れた場所]
**日付:** [いつの発言・記載か]
### 主張1
**内容:** [正確な引用、または言い換え]
**発言者:** [誰が言ったか]
**文脈:** [前後の状況]
**種類:** [統計/歴史的事実/引用/因果 など]
**優先度:** [高/中/低(記事における重要度で判断)]
**状態:** [未確認/検証済/誤り/判定不能]
### 主張2
[同じ構成]
主張に優先順位を付ける
| 優先度 | 基準 |
|---|---|
| 高 | 記事の核心にかかわる/検証しやすい/誤れば影響が大きい |
| 中 | 補強的な事実/検証に手間がかかる |
| 低 | 周辺的な事実/一般に受け入れられている/誤りの影響が小さい |
優先度の高い主張から確認する。時間が許せばすべての主張を確認する。
ステップ2:主張を調べる
まず一次情報
| 主張の種類 | 一次情報の例 |
|---|---|
| 統計 | 元の調査・公的統計(e-Stat=政府統計の総合窓口、各府省の公表資料)、調査の方法論 |
| 引用・発言 | 音声・動画の記録、発言全文、本人への直接確認 |
| 歴史的事実 | 当時の報道、公文書・公的記録 |
| 科学・医学 | 査読論文、学会・専門家の合意 |
| 法律・裁判 | 判決文・決定、訴訟記録、官報、議事録 |
| 企業・財務 | 有価証券報告書・適時開示(EDINET・TDnet)、監査済み決算 |
| 行政の意思決定 | 議事録、決裁文書、審議会資料(必要なら情報公開請求) |
二次情報の評価
やむを得ず二次情報(報道・要約・まとめ)を使う場合:
- 原典にどれだけ近いか
- 出典を明示しているか
- 独立した複数の情報源が一致して確認できるか
- 矛盾する報道・反証はないか
調査の記録テンプレート
## 主張の調査:[主張の要約]
### 確認した一次情報
| 情報源 | 記載内容 | 一致/矛盾 |
|--------|----------|-----------|
| [情報源] | [わかったこと] | [一致/矛盾/一部一致] |
### 確認した二次情報
| 情報源 | 記載内容 | 信頼度 |
|--------|----------|--------|
| [情報源] | [わかったこと] | [高/中/低] |
### 根拠の不足
- [見つけられなかったもの]
- [まだ必要なもの]
ステップ3:根拠の収集
根拠の種類と強さ
| 根拠の種類 | 強さ | 備考 |
|---|---|---|
| 公文書 | 強 | 判決・決定、行政文書、各種届出・開示資料 |
| 一次データ | 強 | 元のデータセット、自分で行った分析 |
| 専門家の合意 | 強 | 独立した複数の専門家が一致 |
| 実名の情報源 | 中 | 直接の知見をもつ実名の証言 |
| 当時の報道 | 中 | 出来事の当時に出た記事 |
| 匿名・オフレコの情報源 | 弱 | 取材の方向づけに使う。根拠そのものにはしない |
| SNS投稿 | 弱 | 削除されうる/文脈が重要。必ず一次情報で裏取り |
根拠のチェックリスト
## 根拠:[主張]
### 文書による根拠
- [ ] 行政・公的記録
- [ ] 判決・決定など司法記録
- [ ] 企業の開示資料(有報・適時開示 等)
- [ ] 公表された研究・論文
- [ ] 公式声明・プレスリリース
### 人による根拠
- [ ] 直接の目撃者・関係者
- [ ] その分野の専門家
- [ ] 当事者(実名で確認)
- [ ] 当事者(反論の機会の付与)
### データの検証
- [ ] 元データを入手した
- [ ] 算出方法・定義を確認した
- [ ] 計算を独立に再現した
- [ ] 標本数・対象範囲は妥当か
### 反証の確認
- [ ] 矛盾する情報源を探した
- [ ] 矛盾点を記録した
- [ ] 食い違いを説明できる
数値は単位・期間・定義・出典年を必ず確認する。割合と実数、名目と実質、対象範囲(全国/一部、年度/暦年)の違いに注意。
ステップ4:当事者への確認(反論の機会)
反論の機会を与える
必ず連絡する相手:
- ファクトチェックの対象になっている人・組織
- チェックしている具体的な主張を示す
- 妥当な回答期限を示す(最低でも24〜48時間)
- 回答(または無回答)を記録する
確認依頼のテンプレート
件名:取材へのご回答のお願い([媒体名]・事実確認)
[相手の氏名・役職] 様
[媒体名]の[肩書き]の[氏名]と申します。
[テーマ・記事の趣旨]について事実確認を進めております。
つきましては、次の点について確認させてください。
「[確認している主張の正確な内容]」
この主張を裏づける資料、文脈の補足、あるいは訂正すべき点がございましたら
ご教示いただけますと幸いです。
恐れ入りますが、[日時]までにご回答いただけますでしょうか。
お時間が必要な場合はご相談ください。
[氏名]
[連絡先]
回答の記録
## 当事者回答ログ
### [相手の名称]
**連絡日時・方法:** [日時、メール/電話 等]
**提示した期限:** [日時]
**回答受領:** [日時] / 無回答
**要旨:** [何を言ったか]
**提出された資料:** [資料の有無・内容]
**掲載用の発言:** 「[引用]」
ステップ5:判定(レーティング)
判定区分の例
判定区分は自社の基準に合わせる。社内に基準がなければ、まず区分の定義と当てはめのルールを決めてから運用する。
二段階(内部チェック向け):
- 検証済
- 誤り
- 判定不能
多段階(ファクトチェック記事向け)の例:
| 判定 | 基準 |
|---|---|
| 正確 | 正確かつ過不足がない。重要な省略がない |
| おおむね正確 | 正確だが、文脈の補足や軽微な明確化が必要 |
| 一部正確 | 部分的に正確だが、重要な文脈が抜けている |
| ミスリード | 一部に真実を含むが全体として誤解を招く |
| 不正確 | 根拠と矛盾し、正確でない |
| 根拠不明(判定不能) | 一次情報で確認も反証もできない |
参考:日本では特定非営利活動法人「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」などが、判定区分や検証の取り組みを公開している。区分の文言・段階は媒体ごとに異なるため、最終的には自社基準に合わせて定義すること。
判定の記録テンプレート
## 判定:[主張]
**主張:** [正確な内容]
**発言者:** [誰が言ったか]
**判定:** [区分]
### 主張を支持する根拠
- [根拠1]
- [根拠2]
### 主張に反する根拠
- [根拠1]
- [根拠2]
### 主張に欠けている重要な文脈
- [文脈1]
- [文脈2]
### 当事者の回答
[確認したときの回答内容]
### 判定の理由
[なぜ別の区分でなくこの判定なのかを説明]
### 確からしさ
[高/中/低 と、その理由]
ステップ6:記録(透明性)
ファクトチェック記録
検証した主張ごとに、次を残す。
## ファクトチェック記録
**主張:** [正確な内容]
**出所:** [誰が、どこで、いつ言ったか]
**検証者:** [氏名]
**検証日:** [日付]
### 検証
**判定:** [区分]
**一次情報:** [一覧。URL・所在を明記]
**補強根拠:** [一覧]
**反証:** [あれば]
### 連絡した当事者
- [名称]:[回答の要旨]
- [名称]:[X日時点で無回答]
### 備考
[補足、留保、今後の検討事項]
### 保存ファイル
[保存した資料・スクリーンショット等の一覧]
根拠の保全
- スクリーンショットは日時付きで保存する(URLは変わりうる)
- ウェブページはアーカイブする(Wayback Machine、archive.today など)
- 文書はリンクだけでなくダウンロードして保存する
- 元ファイルは自分の分析メモと分けて保管する
ステップ7:訂正
訂正すべき場面
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 事実の誤り | 直ちに訂正し、訂正したことを明示 |
| 文脈の不足 | 文脈を補う。正式な訂正までは不要な場合もある |
| 情報の更新 | 更新し、「更新:[日付]」を付す |
| 当事者が記述を争う | 主張を検証し、正当なら訂正する |
訂正文のテンプレート
**訂正([日付]):** 当初の記事では[誤った記述]としていました。
正しくは[正しい情報]です。訂正します。
訂正記録
## 訂正記録
**記事:** [見出し/URL]
**当初掲載:** [日付]
**誤り発見:** [日付]
**誤りの種類:** [事実/文脈/帰属 など]
**当初の記述:**
[掲載されていた内容]
**訂正後の記述:**
[現在の内容]
**発見の経緯:**
[読者の指摘/社内点検/当事者の申し出 など]
**訂正掲載:** [日付]
**掲載箇所:** [本文中/訂正告知ページ/両方]
掲載前チェックリスト
記事を掲載する前に。
## 掲載前ファクトチェック
**記事:** [見出し]
**記者:** [氏名]
**デスク:** [氏名]
**校閲・検証者:** [氏名(別にいれば)]
**掲載予定日:** [日付]
### 検証した主張
| 主張 | 状態 | 根拠 | 備考 |
|------|------|------|------|
| [主張1] | 検証済 | [情報源] | |
| [主張2] | 検証済 | [情報源] | |
### 反論の機会を与えた相手
| 相手 | 連絡日 | 回答 |
|------|--------|------|
| [名称] | [日付] | [受領/無回答] |
### 数値・統計
- [ ] すべての統計に出典がある
- [ ] 計算を独立に再現した
- [ ] 文脈を示した(人口当たり、物価調整後 など)
### 引用
- [ ] すべての引用を録音・記録と照合した
- [ ] 発言の帰属が正確である
- [ ] 文脈が保たれている
### 氏名・肩書き
- [ ] すべての氏名の表記が正しい
- [ ] 肩書きが現時点で正確である
- [ ] 所属を確認した
### 法務確認(該当する場合)
- [ ] 名誉毀損・プライバシーのリスクを評価した
- [ ] すべての主張に根拠がある
- [ ] 当事者の回答を記録した
### 確認
**記者:** [氏名・日付]
**デスク:** [氏名・日付]
**検証者:** [氏名・日付]
ファクトチェック記事の構成
主張を判定して記事にする場合の型。
# [見出し:チェックする主張]
**主張:** 「[正確な主張を引用で]」
**出所:** [誰が、どこで、いつ言ったか]
**判定:** [区分(視覚的な表示があれば添える)]
## 何が語られたか
[主張の文脈、発言全文、状況]
## 根拠が示すこと
[支持・反証の両方の根拠を提示]
## 判定
[判定に至った理由の説明]
## 出典
[すべての出典をリンク付きで]
---
*公開:[日付]|更新:[該当すれば日付]*
注意
- AIの出力や検索結果を根拠にしない。 必ず一次情報に当たる。生成AIの要約は出発点にとどめ、原典で再確認する。
- 固有名詞・数字・引用は、記者自身が原典で再確認する。
- 反証可能性を意識し、自分の判定に不利な情報も探す。
- 数値は単位・期間・定義・出典年をそろえてから比較する。
出典・ライセンス(帰属表示)
本スキルは claude-skills-journalism(by Joe Amditis, MIT License, © 2025 Joe Amditis,
https://github.com/jamditis/claude-skills-journalism )の journalism-core/fact-check-workflow を
原典の構成(主張の抽出・調査・根拠収集・当事者確認・判定・記録・訂正の各テンプレートとチェックリスト)に沿って日本語化し、
日本の制度・実務(一次情報=e-Stat等の公的統計・議事録・EDINET、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)の動向、自社判定基準の運用)に再構成したものです。
米国固有の格付け団体・事例・参考リンク等は日本/汎用の相当物に置き換え、該当しない部分は割愛しています。
原典の著作物本文は転載していません。原作者および Anthropic 社の公認・推奨を受けたものではありません。
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